世界を代表する紅茶、その日本の拠点
イギリス・スコットランドに誕生した紅茶メーカー、リプトン。
日本では明治時代から輸入され、1930年に京都にオープンした専門店がここ「リプトン 三条本店」だ。
三条名店街の中にあるリプトン 三条本店。
ミルクティーを思わせるベージュのファサードが印象的だ。
Sir Thomasとあるのは、リプトンの創業者、トーマス・リプトンのこと。
そして1890とはトーマス・リプトンがスリランカ(当時はイギリス領)のセイロンで紅茶園を買収した年だ。
ちなみに隣には、とんかつの名代かつくら 三条本店がある。
かつくらは、リプトンと同様の株式会社フクナガによる経営である。
それでは入店してみよう。
戦前から愛されてきた紅茶の老舗
リプトンは、イギリスのスコットランドで食料品店を営んでいたトーマス・リプトンによって、1890年に創業された紅茶メーカーだ。
1895年には王室御用達になり、やがて世界的なブランドとなる。
日本におけるリプトンは、1906年に明治屋によって茶葉の輸入が開始されるところから始まる。
そして1930年、故・福永兵蔵氏によって、「リプトン本社直轄喫茶部 極東支店」という名前で、現在のリプトン 三条本店がオープンされた。
当時、日本では紅茶を飲むような習慣はほとんど無く、店もガラス張りの英国のスタイルで作られたことが敬遠され、オープンしてから3年間は1人も女性客が来なかったのだとか。
戦後になって徐々に紅茶が認知され、女性客も増加。
1961年にはリプトンのティーバッグが発売され、世界的に大ヒット。創業者の福永氏は、おいしい紅茶の飲み方について何度もラジオ出演し、やがて「京都の紅茶王」という異名を取るようになったという。
福永氏は株式会社フクナガを立ち上げ、新規事業としてリプトン本店のとなりにとんかつ専門店「かつくら」を創業。
それも成功を収め、福永氏は資産家となった。
2022年3月現在、リプトンは京都市内に3店舗で運営されている。
店内には、広々とした落ち着いた雰囲気の空間が広がっている。
昭和五年(1930年)、創業当時の店舗写真が飾られている。
入口脇では茶葉などが販売されている。
リプトン エクストラ クオリティセイロン。
これは1907年に日本で販売開始された紅茶で、日本人の嗜好に合わせたブレンドがなされており、通称「リプトン青缶」と呼ばれている。
リプトン 三条本店のグランドメニュー。
1ページ目には、上述の創業時の店舗写真が。
やはり、主役は紅茶である。
今回は、リプトンを代表する「ロイヤルミルクティ」をオーダー!
コーヒーやその他ドリンク、意外にもビールもラインナップしている。
紅茶と共にケーキやサンドイッチなどがセットになった「アフタヌーンティセット」、リプトンをかなり満喫できそうだ。
ケーキはイギリスにある「トーマス・オケン・ティールーム」直伝とのことだ。
現在3店舗あるリプトン。
濃厚!そして香り立つ。ミルクティの教科書のような一杯
しばらくして運ばれてきたのは、「ロイヤルミルクティ」!
とはいえ、そこにあるのはティーポットとカップ。
自ら注ぐスタイルだ。
ゴールドに輝くLIPTONロゴのポットから…
濃厚なロイヤルミルクティをカップに注ぐ。
これぞ、英国王室に献上された、歴史あるミルクティ。
家で作ったり、缶で飲むものよりも、ずっと香りが豊かだ。
ポットからは約2杯ほど注ぐことが出来るので、たっぷりと楽しめる。
お好みでシュガーも入れよう。
世界的な紅茶ブランド、リプトン。
日本にあるリプトンのティールームは、京都だけ。
そんな歴史ある本店で楽しむロイヤルミクルティは、格別の味わいだ。