函館で知らぬ人はいないご当地バーガー
北海道・函館でのみ展開するハンバーガーチェーン、「ラッキーピエロ」。
大手ハンバーガーチェーンとは何もかもが一線を画する個性的な同店は、地元ではラッピという略称で親しまれている。
1987年に創業した「ベイエリア本店」が1号店だ。
函館港に面して風光明媚な倉庫が建ち並ぶベイエリアは、函館の定番観光スポットだ。
ラッキーピエロの1号店であるベイエリア本店は、その名の通りベイエリアに店舗を構えている。
こちらが今の看板。
とにかく異様なほど情報量の多い店構えに圧倒される。どこを見ても何かしらの情報で埋め尽くされている。
函館出身のロックバンドGLAY。
函館に行くと街全体がGLAYを応援し、そしてGLAYが函館を応援する、そんな図式を目にする。
このラッキーピエロもGLAYがインディーズ時代に通い詰めたというエピソードがあったり、JIRO氏が著書やラジオでラッキーピエロの「チャイニーズチキンバーガー」を熱く紹介したことから、お店もGLAYを熱くプッシュし続けているのだ。
これがラッキーピエロのグランドメニュー。
それでは入店してみよう。
ラッキーピエロの歴史は?
そんなラッキーピエロは1987年、創業者である王一郎氏によって始められたハンバーガーレストランだ。
函館でパブやレストランを経営していた王氏は、アメリカにあるハンバーガーレストランのような店を函館に作りたいという想いがあり、それで生まれたのがラッキーピエロなのである。
ラッキーピエロという店名は、サーカスが大好きだった王氏が、サーカスのようなワクワクドキドキするお店を作りたいと着想。サーカスの中で主役ではないけれど大事なキャラクターである「ピエロ」を店名にしたいなと思ったが、ピエロは何かもの悲しい雰囲気があるので、そこにラッキーという言葉を組み合わせることで、幸運なピエロという意味で「ラッキーピエロ」にしたのだとか。
ラッキーピエロは2023年10月現在、函館エリアのみで17店舗で展開されている。これはマクドナルド、ロッテリア、モスバーガーなどの大手ハンバーガーチェーンの数より多いという。
ローカルで絶大な人気を集めるハンバーガーチェーンである。
ラッキーピエロのメニュー。
ハンバーガー、カレーライス、スイーツを中心に、丼ものまで用意されている。
ドリンク類もオリジナルものが多く、こだわりを感じられるラインナップだ。
ここではダントツ人気No.1セットである「チャイニーズチキンバーガー」のセットをオーダー。
ダントツ人気No.1バーガーに、ダントツ人気No.1ポテト、ダントツ人気No.1のドリンクのセットである。
ラッキーピエロ人気No.1メニュー「チャイチキ」
そう、ラッキーピエロの人気メニューといえばこのチャイニーズチキンバーガー、通称「チャイチキ」である。
北海道伊達産のチキンと、函館市の隣である北斗市大野産のレタスをふんだんに使った、地産地消にこだわったハンバーガーだ。
味付けは甘辛い感じの、その名の通り中華風のもので、これは王氏が子供の頃に食べた母親手作りの唐揚げの味が元になっているのだという。
ラッキーピエロ ベイエリア本店は、入り口からいきなりカオスな情報の洪水に見舞われる。
所狭しと置かれたラッキーピエロオリジナルのお土産の類。こんなに種類があるとは驚きである。
ラッキーピエロのレトルトカレー。
ラッキーピエロのマグネット。
ラッキーピエロのオリジナルドリンク。なんとエナジードリンクまである。
ポテチトップスや饅頭、クッキーまである。
ラーメンからティッシュペーパーまである。オリジナルのTシャツまで売られており、衣食住全てラッキーピエロで賄えるのではないか、と錯覚すら覚えてしまう。
ラッキーピエロ ベイエリア本店のカウンター。これほど情報量の多いカウンターを持つ飲食店は、なかなか無いだろう。
カウンター上部のメニューリスト。やはりチャイニーズチキンバーガー推しである。名物中の名物!
凝りに凝った店内装飾!
店内の様子。サーカスがテーマだけあって、サーカス小屋のような雰囲気が作られている。
なんと、ブランコになったソファーまである。
ラッキーピエロ全店マップが貼られた店内。
店ごとに内装のコンセプトが違い、同じような内装の店は存在しないのだという。
「2008年 ラッキーピエロのみんなで仲良く食べる世界一デッカイ夢ハンバーガー 15kg」!
狂気のハンバーガーだ。
ついに運ばれてきた「チャイニーズチキンバーガー」のセット!
パンパンな感じで包装されたチャイチキ。函館名物ラッキーピエロの本店の名物中の名物、それがこれである。
驚きなのはこのポテトだ。名前は「ラキポテ」という。
マグカップに山盛りに入れられたフライドポテトの上に、カレーのルーが2種類ドロップされているのである。
これは手で食べることができないので、フォークが付いているのだ。
セットのドリンクは「本物ウーロン茶」と決められている。
このウーロン茶も自家製だという。
美味すぎ!函館の味を詰め込んだ「チャイチキ」
これが「チャイニーズチキンバーガー」!
溢れんばかりのチキンが、フカフカでボリュームのあるバンズにサンドされ、その上に過剰とも思えるフレッシュなレタスに、たっぷりトッピングされたマヨネーズだ。
このチキンがとんでもなく柔らかく、そして中から染み出てくる肉汁に、甘辛な味付けが最高にマッチ。
そこにシャキシャキとした北斗産のレタスが美味しすぎ!
これは人気出て当然、と頷ける味である。
意外とあっさりとしたチャイニーズチキンバーガーに対して、カレーがトッピングされたポテトであるラキポテは、結構コッテリとしている。そもそもポテトがボリューミーなのである。
そのコッテリ感を和らげてくれるのは、もうウーロン茶しか考えられない。
チャイニーズチキンバーガーで函館を味わって、ラキポテでお腹を満たして、ウーロン茶でクールダウン。
そこに、オリジナルカレーを追加!
低価格なカレーなのに、そのボリュームは主食1回分。
なかなかのボンバー加減に、さすがラッキーピエロだと舌を巻いた。
味はあっさりとしており、辛さはほとんど感じない。
物足りなさを覚えるくらいの、どこか素朴なカレーだ。
しかしこの素朴さが、リピーターを生むのだろう。
函館ローカルのハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」。
以前には千葉県に1店舗だけ存在した時代もあったが、今は正真正銘の函館ローカルチェーンだ。
何度も再訪して全メニュー食べてみたいとの思いを胸に店を出て、ベイエリアを散歩していると、GLAYの巨大看板と遭遇した。これぞ函館である。
ラッキーピエロ 1号店 ベイエリア本店の地図
なお、ラッキーピエロの数々のオリジナル商品のうちカレーなどの一部は、Amazonでの販売されているのて、気になる方は以下のリンクをチェックしてほしい。