とんこつラーメン発祥の地「久留米」の老舗
とんこつラーメン発祥の地である福岡県の久留米で、1953年に生まれたラーメン店「大砲ラーメン」。
その本店は、久留米にある。
西鉄久留米駅から徒歩10分。
五穀神社の向かいにあるこの建物が、大砲ラーメンの本店である。
とんこつラーメン発祥地である久留米には、発祥店と言われ今もその屋号で営業を続ける「南京千両」を始めとし、戦前から多くのとんこつラーメンの屋台店があった。
大砲ラーメンは1953年、創業者である香月昇氏によって久留米市の明治通りで屋台のラーメン店として創業したラーメン店だ。
創業当時から秘伝の「呼び戻しスープ」と呼ばれるスープを提供し、とんこつラーメン店として徐々に人気を博していく。
1967年には現在の地に本店を構え、その後は福岡県内を中心に支店を出店する。
2009年には新横浜ラーメン博物館にも出店するなど、全国のラーメンファンにも知られるお店の一つだろう。
2019年3月現在、福岡県を中心に大分・佐賀も含め12店舗で運営されている。
本店と隣接されている「醤油工房」。ここではラーメンに使用するオリジナルの醤油が作られている。
伝統の「呼び戻しスープ」が味わえる
店内は長いカウンター席とテーブル席がある。
創業者である香月昇氏のポスターも飾られている。
「呼び戻しスープ」を作るのは時間も手間もかかり、少しずつしか作れないが、「想い」を込めて作っているのだという熱いメッセージが書かれている。
トイレには「本店という名の原点」と書かれたポスターもある。さすが本店らしいものだ。
なんと、高松宮殿下もご来店されたとか!
「ラーメン」と「昔ラーメン」、その違いとは?
大砲ラーメンのメニュー表はこのようになっている。
大きく「こってり系」と「まろやか系」に分かれ、こってり系は「昔ラーメン」、まろやか系は「ラーメン」と名付けられている。
「ラーメン」と「昔ラーメン」。それは、どのような違いがあるのだろうか?
「ラーメン」
「昔ラーメン」
大砲ラーメンのレギュラーは「ラーメン」で、屋台時代の味は「昔ラーメン」と名付けられているのだという。
これは気になる。選ぶのが難しい。
両方食べたい… と思ったその時、
食べくらべセット!!!
両方ともミニサイズで、「ラーメン」と「昔ラーメン」が食べ比べできる。そんなメニューが用意されていたので、これをオーダー!
お冷やが緑茶なのも大砲ラーメンの特徴だ。
テーブルには餃子のタレ、餃子用ラー油、ごま、洋コショウ。
そしてラーメン用のおろしニンニクと、からしニンニクのタレ。
とんこつラーメンらしく、紅しょうがもスタンバイ!
いよいよ食べ比べ!どちらが好み!?
そして運ばれてきた「食べくらべセット」!
左側の黒いどんぶりが「ラーメン」
右側の白いどんぶりが「昔ラーメン」だ。
「ラーメン」のスープ。
そして「昔ラーメン」のスープ。
こちらの方が、ちょっとコッテリしてるように見える。
これが「昔ラーメン」の特徴の一つである「カリカリ背脂」!
噛むとクルトンのようにサクサクっとしている。
麺は両方とも変わらない。
博多の長浜ラーメンとは違い、太さは中麺である。
「ラーメン」の方は「あっさり」とまでは行かないでも、とんこつラーメンの旨みをダイレクトに感じることが出来る。
それにしても、チャーシューが柔らかくてたまらない。
そして「昔ラーメン」の方は脂分が多く「こってり」という感じだ。
とはいえ塩っぱいものではなく優しいとんこつの味で、そこにカリカリ背脂やシナチクがトッピングされている。
ラーメンを食べた!と強く感じるのは「昔ラーメン」の方かも知れない。
どちらともさすが老舗の本店といった美味、久留米の誇るとんこつラーメン文化の片鱗を感じさせてくれた。