立ち食いそばは都会のファストフード
東京を中心とするそばのチェーン店は数多い。
中でも、立ち食いも出来るようなファストフードスタイルの店舗と言えば、駅そばや「富士そば」などが有名だが、ここ「小諸そば」もそんなスタイルの店舗だ。
※2020年9月に閉店しました。
小諸そばの1号店である京橋店は東京駅のすぐ近く、京橋にある。
少し歩けば銀座だ。
ビルの地下1階、間口の狭い階段を降りたところに、京橋店がある。
歴史ある「小諸そば」の1号店は東京発祥
小諸そば 創業の地 とある。正真正銘の1号店だ。
それは昭和49年(1974年) 8月である。
小諸そばは株式会社三ッ和により、1974年に始められたそば店舗の事業である。株式会社三ッ和は1953年に東京都中央区にて食品小売店として創業した会社である。
小諸そばの1号店である京橋店開店から40年以上が経過した2018年7月の今、東京都内を中心に79店舗で運営されている。
外のサンプルウインドウ。レギュラーメニューのラインナップはシンプルで、王道そのものである。
入り口には券売機があり、メニューを見ながら食券を買う。
小さなスペースで一気に食べる
中に入ると、立ち食い用のテーブルしか無いというシンプルなフロアが出現する。
外観通り、広さも無い。
しかしながら1974年開店のイメージと違い、中は綺麗で新しい雰囲気だ。
近年、しっかりとリニューアルされたのだろう。
メニューは店内にも木札スタイルで掲示されている。ここにはレギュラーにはない「季節のメニュー」も掲載されている。
期間限定メニューは、ポスターとして壁にも掲示されている。
店内に飾られている句。
馬子唄というのは小諸馬子唄のことで、長野県小諸市を発祥とする民謡。そして懐古園とは、島崎藤村「千曲川旅情の歌」で知られる小諸城跡の公園である。
が、誰が詠んだのかは謎である。おそらく小諸そばのオリジナルだろう。
L字型になった厨房スペースも狭そうだ。昼時は戦場のようになるに違いない。
香りを楽しめる本格的なそば
食券を提出してから2分ほど…
運ばれてきたのは「たぬき」(温) 340円!
カリカリでジューシーな天かすが多めに乗っていて嬉しい。そしてほうれん草も少しある。
麺は、そばの香りや食感をしっかりと楽しむことができた。この価格、このスタイルの店では、ダントツに美味いと感じる。
つゆも塩っぱすぎず、良い感じの甘みもあった。
ネギはテーブルの上にあり、自分でトッピングする。
このレベルのそばが340円で、注文後すぐに出てくるとは…
東京そば文化の深さと、40年以上の歴史を持つ小諸そば1号店の匠の技を感じずにはいられなかった。