都そば 関西1号店 西院巽町店

関西の富士そばと評されるそばチェーンがある

そば好きから「関西の富士そば」と評される店がある。
関西でチェーン展開する「都そば」は、創業から半世紀を超える老舗だ。
そんな同店の関西1号店(の直接の流れを汲む店)は、京都市右京区にある「西院巽町店」である。

西院巽町店は阪急京都線の西院駅から徒歩1分のところにある。

都そばは1962年、東京の日劇(現在の有楽町マリオンの場所)にて創業した。
その後は東京の私鉄沿線に店舗を展開し、「田園」、「めん亭四季」、「陣馬そば」といったブランド名にて展開を行っていた。

また、1967年に関西進出して、1号店である「西院店」がオープンした。
関西での都そばは大成功をおさめ、数多くの店舗を持つようになった。

現在は大阪誠和食品株式会社により、2020年2月現在は大阪・兵庫・京都を中心に45店舗ほどで運営されている。

一方、東京の都そばは1号店である日劇の店舗はすでに無く、現在のところは帝劇の地下と、京成高砂駅・勝田台駅にあるのみとなっており、東京に1号店があった同店は、現在では関西を中心に展開するそばチェーン店となっている。

関西1号店であった西院店は、阪急西院駅の駅舎建て替えにより、2015年12月31日をもって48年の歴史に幕を下ろした。
同年11月には付近にこの西院巽町店がオープンし、関西1号店である西院店を引き継ぐ店舗となった。
西院巽町店は事実上、関西1号店(大阪誠和食品としては1号店)という扱いとなっている。

また、現存する店舗で最古(オープン以来、建て替えや移転がない)店舗は、近鉄今里駅前の今里店とのこと。

都そばは公式ホームページなどがなく、その全貌が把握しにくいため、大阪誠和食品への問い合わせによって確認させていただいた。

豊富なラインナップのメニューが楽しい

店内はカウンター席のみで、椅子席と立ち席がある。

立ち席はこのようになっている。

こちらがメニュー表。
うどん・そばの他にカレーライス、そして熊本ラーメンまであるのが面白い。

注文はカウンターごしに直接行い、キャッシュオンで支払いをする。

今回は「都スペシャル そば」をオーダー。
人気No.1だ。

メニューのバリエーションはカウンターの上や、

壁、

窓にも貼られており、ひたすら食欲を刺激される。

トッピングの天ぷらを追加することも可能だ。

カウンターではおにぎりなどのご飯物も販売されている。

期間限定で売られていた「鶏そぼろこがしネギ」が気になる。

これが鶏そぼろこがしネギ。
その名の通り鶏そぼろと、こがしたネギの炊き込みご飯で作られたおにぎり。素朴な味わいだ。

贅の限りを尽くせ!都スペシャル

そしてこれが「都スペシャル」(そば)!

都そばが誇るこのメニュー、エビ天・油揚げ・玉子がどんぶりの中で共演するというラクシュリーなスタイルなのだ。
全てを手に入れたい…そんな人間の果てしない欲望に応えてくれるただ一つのそば、それが、特別という名の「都スペシャル」。

エビ天はカラリと揚げられた衣と、プリっとした海老の美味しさが、時間経過と共に衣がどんどんフニャフニャになっていく様子が楽しい。
大きめサイズが嬉しい油揚げはしっかりと味が染みこんでおり、これだけで十分満足できてしまう。
そして玉子、黄身だけが完全に生というポーチドエッグスタイルだ。どのタイミングで黄身に箸を突き刺し、つゆに玉子をブレンドするのか。難しい問題だ。

麺は柔らかめで食べやすい。全体的に関西のスタンドそばよりも、東京のスタンドそばの麺の方がコシがあるように思える。
それでいてそばの風味はしっかりと味わえるのだ。

つゆは関西風味で、出汁が楽しめる。こればかりは関東のそばとは全く違うスタイルだ。
かといってうどんのつゆとも違う。

トッピングに麺、そしてつゆと、完璧な世界観が形成されている都そば
関西で半世紀以上の歴史を刻み、名実ともに関西のスタンダードそばチェーンとなっている。
その関西1号店の流れを汲む西院巽町店で食べた都スペシャルは、まさに関西のそばの歴史までを感じさせるような味だった。

都そば 関西1号店 西院巽町店の地図

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