新宿でひときわレトロな風情を放つ店
天ぷら専門店の新宿 つな八は、その名の通り新宿に総本店を構えている。
新宿駅、新宿三丁目駅から徒歩3分のところに立地する、天ぷら 新宿つな八 総本店。
レトロな一軒家の路面店だ。
新宿の喧噪の中で、つな八 総本店のまわりはひときわレトロな風情が漂う一角だ。
外国人観光客にも人気が高く、昼時には長い列を作っている。
入り口の立て看板には、本日のおすすめが掲示されている。
この日は、しまあじ、ひらめ、かつお刺身、うに海苔巻き、はまぐり姿揚げ、グリーンアスパラガスがノミネート。
それでは入店してみよう。
大正時代に創業の老舗天ぷらチェーン店
天ぷら 新宿つな八は、1924年(大正13年)、創業者の志村久蔵氏によって創業した天ぷらの専門店だ。
もともと志村久蔵氏は「網八」という店名で創業した。それは「あみはち」という呼び名だったが、あまりにも「つなはち」と呼ばれるので、「つなはち」に変更したという経緯がある。
1号店は現在の総本店と同じ場所、新宿区の角筈(つのはず 現在の西新宿、新宿3丁目あたりの旧地名)で営業されていた。
高度経済成長期に入り、新宿駅に駅ビル「マイシティ」が建設された。その中につな八の店舗を出店したことで大きな成功を収め、志村久蔵氏の個人商店だったつな八は株式会社化され、代表は息子の志村圭輔となり、最盛期には30店舗ともなった。
1999年、3代目となる志村久弥氏に代表がバトンタッチ。全国に店舗展開を行い、2023年5月現在、28店舗で運営されている。
店内は厨房の前のカウンター席と、別室のテーブル席がある。
新宿つな八 総本店のグランドメニュー。
本日はベーシックな「天麩羅膳」をオーダー!
天ぷらの単品オーダー、一品料理や刺身なども用意されている。
アルコール類も充実のラインナップだ。
お手拭きはつな八のシグネチャーモデル。
天ぷらにおいて、出来たてアツアツを超えるものはない
まずはご飯と赤だしが運ばれてきた!
いよいよ、天ぷらタイムの始まりである。
まずは海老二匹!
揚げたてアツアツの海老を口に入れると、ジュワッと旨味が弾ける。
「この瞬間を待っていた」
そんな気分にさせられる。
カウンター席に座ると、揚げてくれる様子が見えるのが楽しい。
テーブルには塩、ゆかり塩、そしてつな八オリジナルのわさび塩がスタンバイ。
天つゆだけでなく、塩で食べる天ぷらも格別だ。
こちらは野菜二品の、かぼちゃといんげん。
目の前では、天ぷらが次々と調理されていく。
つな八では、竹本油脂謹製 つな八特注の胡麻油が使われているという。
ラストに来たのはかきあげ。
ガッツリとしたボリューム感がたまらない!
全体的に軽い食感で、食後に胃もたれしないのは、竹本油脂の胡麻油を使用しているからだろうか。
さわやかな後食感が楽しめた。
全てを飲み込む街 新宿で、昔ながらの天ぷら屋として人気を博する新宿つな八 総本店。
海外からのお客さんも多く、東京の歴史と伝統、そして匠の技までも感じられるスポットとして、安定の人気を誇っている。