蒲田で生まれた駅そば
駅そばや立ち食いそばというジャンルは、本格的なそばとは違ってとにかく安く、そしてスピーディに提供されるもの。
そば文化が根付く東京では、富士そば、小諸そばといった立ち食い系から、箱根そば、しぶそばといった鉄道(電鉄)系まで、多種多様なそばチェーン店がある。
JR東日本系として運営されている「いろり庵きらく」の1号店は、JR蒲田駅の駅ビル「グランデュオ蒲田」にある「グランデュオ蒲田店」だ。
JR蒲田駅。
隣接されているグランデュオ蒲田の東館に、いろり庵きらくの1号店がある。
グランデュオ蒲田 東館。
この1階には、いろり庵きらく グランデュオ蒲田店が入店している。
生蕎麦 いろり庵きらく
リズム感の良いコピーに胸が躍る。
当店自慢の自家製かき揚げ
そりゃ、食べざるを得ない!
それでは入店してみよう。
JR東日本系の駅そばのメインストリーム
いろり庵きらくは、2008年4月にここグランデュオ蒲田にて1号店が設けられた、駅ナカ系のそば店だ。
運営はJR東日本クロスステーションで、その名の通りJR東日本管内を中心とした展開を行っている。
JR東日本系の駅そばには複数のブランドがある。
いろり庵きらくの他、駅そば あじさい茶屋、駅そば 大江戸そば、そばいちなどだ。
このうち、いろり庵きらくとそばいちは生そばで、その他のブランドは茹でそば(工場で茹で上げたもの)を使用と、大きく分かれる。
これでも統合されたほうで、国鉄時代には駅ごとに別々のそば店が営業されていたのだ。
いろり庵きらくは、同じJR東日本クロスステーションが2022年現在東京駅と上野駅で運営するそば居酒屋である「蕎麦と酒 いろり庵」が先にあり、そのコンセプトをコンパクトにしたもの。
駅ナカのそば店でありながらも生そばを提供する、こだわりの店だ。
いろり庵きらくは2022年2月現在、JR東日本管内に78店舗で運営されている。
入口脇には食券機がある。
まずここで食券を買う。
もちろん交通系ICカード対応だ。
メニューはこんな感じ。
本日は推しの「かき揚げそば」をオーダー!
店内にはテーブル席も設置されている。
屋台のそば売りが大きく貢献しました。
屋台のそば売りは、夜中に営業し
始めは、かけそば専門で
簡素な荷箱だけを担いで売り歩き
「夜鷹そは」と呼ばれ普及していました。
江戸のそば文化は屋台と共に進化します。
「風鈴蕎麦といふて、屋台の廻りへ風輪をさげて
ありく蕎麦、うつわもきれいにして、流行す」
と当時の文献にあるように
屋台に風鈴をつけた「風鈴そば」が出現します。
器も清潔な物を使って「しっぽく」など
新しい種ものも扱うようになりました。
風鈴は、夜中に声高に客と呼ぶのを
はばかったためとか、魔除け等の説があります。
いずれにせよ風鈴の音色で客を誘うとは、
江戸らしい粋な心づかいです。
食事は毎日の「楽しみ」。
どんなに忙しくても。いや、
忙しいからこそおいしいものが食べたい。
現代の「風鈴そば」となるよう
時間がなくひとりのときも
気軽においしいそばが楽しめる
いつも変わらない「気楽」に通えるお店。
そんな想いで「いろり庵きらく」をつくりました。
あなたの毎日の「楽しみ」になりますように。
いろり庵きらくの想いが掲げられた店内。
1号店にこれがあることで、そばへの期待がグッと高まる。
すぐに提供されたかき揚げそば
あっという間に提供された、「かき揚げそば」!
自家製のかき揚げはサクサクで、ボリューム感もあり、食べ応えは素晴らしい。
そばの麺は生麺を使用しているだけあって、そばの風味を感じることができる。
駅そばというとボソボソのそばというイメージがあるが、いろり庵きらくの麺はそんなイメージを払拭してくれる。
キッチンにスタンバイされたかき揚げなど。
いなり寿司も用意されている。
駅そばは国鉄時代の混沌とした運営からJR東日本グループによる運営に移り、しっかりとしたブランディング、サービス提供、品質保持がなされ、確実に進化している。
その進化の中心にあるのが、いろり庵きらくだろう。
もはや駅そばのサービス基準の一つであると言えるだろう。