カウボーイ家族 1号店 石神井店

ロイヤルホストの新業態

ファミリーレストランとして全国で展開するロイヤルホストが2010年にステーキとハンバーグに特化した新業態として手掛けたのが、「カウボーイ家族」
その1号店は、東京の練馬区にある石神井店だ。

※2022年4月3日に閉店しました。

新青梅街道と千川通りが交差する伊草4丁目の交差点にある「カウボーイ家族」
ここが、2010年に新業態としてテスト運営が始まったカウボーイ家族 石神井店だ。

建物は瓦屋根をしていて少し和風な雰囲気があるが、元々はロイヤルホスト上石神井店だったもの。
外装工事で様々な装飾がなされ、カウボーイ家族仕様となった。

ファサードには、ステーキ ハンバーグ サラダバーとあり、カウボーイ家族のコンセプトを端的に表している。

おや? 屋根の上に乗っているのは…

牛!
カウボーイ家族全店舗にあったのかは不明だが、いくつかの店舗では屋根の上か入口付近に設置されていた。

横断歩道を渡る歩行者を見つめる、屋根の上の牛。

ウエスタンな雰囲気が出ている。

側面にあった、カウボーイ家族のイラスト。
この家族は「ハリス家」と名付けられている。

それでは入店してみよう。

2010年代を駆け抜けたカウボーイ家族は…

カウボーイ家族は、ロイヤルホールディングスの子会社であるロイヤルフードサービス株式会社が運営する、ステーキとハンバーグに特化したレストラン。
2010年12月、既存のロイヤルホストの店舗から業態変更という形で、ロイヤルホスト石神井店の内外装を変更し、カウボーイ家族の1号店であるカウボーイ家族 石神井店としてスタートした。

当初は関東と関西の11店舗で試験的に営業されていたが、なかなか好調な滑り出しを記録したことで、2012年に出店した福岡県の春日店からは全国展開を前提とした本営業が開始され、東京や北海道などにも積極的に出店。
2015年には全国で39店舗の展開となった。

しかしながらその後の新規展開はなく、原材料や輸送費の高騰、規模の割に出店エリアが広すぎたためドミナント戦略に切り替えるという理由で、少しずつ閉店が始まる。

そして2020年のコロナ禍以降、それまでにないペースで閉店ラッシュとなってしまった。

2022年4月3日をもって1号店である石神井店が閉店されると、残りはロイヤルホストの1号店である青山店から業態変更されたカウボーイ家族 青山店の1店舗だけという状態になる。

最後から2つめに閉店するのがカウボーイ家族1号店の石神井店、そして残されたのがロイヤルホスト1号店だったカウボーイ家族青山店という所に、創業への想いを大事にしたいから閉店を出来るだけ遅らせたい…という、何だかアツい気持ちを感じざるを得ない。

カウボーイ家族 石神井店の店内。
古き良きレストランといった雰囲気の残る天井装飾は、ロイヤルホスト時代の面影だろうか。
テーブル席のみの広々とした空間と大きな窓ガラスは、まさにファミリーレストランといったところだ。

残念ながら、2022年4月3日で閉店するというお知らせが貼られている。
直前には3月31日に大阪ドームシティ店が閉店するなど閉店ラッシュが続き、いよいよという時だ。

店内の至る所にウエスタンらしい装飾品が置かれており、カウボーイな気分を盛り上げてくれる。

ホームページには、ハリス家の家族それぞれのプロフィールが掲載されている。


HPから引用


HPから引用

カウボーイ家族は、「テキサスにあるハリスさん家のホームパーティにお邪魔して、おいしいステーキを食べる」という世界観を持っている。
そのため内外装はもちろん、スタッフのユニフォームもカウボーイ風となっており、ウエスタンな雰囲気を醸し出している。

しかしこのファミリー、設定上の架空のものだと思っていたが…

ここに飾られた1枚のポスター。
「HARRIS’S FAMILY」とだけ書かれ、アメリカンな雰囲気の家族?写真。

えっ!実在しているのだろうか!?

謎である。

カウボーイ家族のグランドメニュー。

当然のことながら、1ページ目はステーキから始まる。

その名も、店名を冠した「カウボーイステーキ」だ。

カウボーイ家族のステーキは、CABアンガス牛が使われている。
CABとはCertified Angus Beefの略で、アメリカンビーフの中でも最高級のものから厳選されたアンガス牛のブランドだ。

ステーキとハンバーグのセットや、国産のリブロースを使ったステーキもある。

オーダーはタッチパネルから行う。

今回は代表メニューの「カウボーイステーキ」220グラムをオーダー!

ソースは「デミバターソース」をチョイス!

サラダバー、ドリンクバーもセットにしてみた。

充実のサラダバー!

サラダバーは品目が多く、充実している。
レタスなどもシャキシャキと新鮮で、かなり嬉しい感じだ。

温野菜などもある。右端にあるのはプリンだ。

こちらはスープバーカレー
スープは2種類用意されていた。

それぞれに説明がされている。

コーンスープ
ハリス家 伝統のレシピ

カレー
ジャックも大好き!
お子さまも食べやすいやさしい辛さ

このように、説明書きもハリス家でのパーティという設定の中で行われているのが面白い。

ドリンクバーのコーナー。

そしてこちらは、ソフトクリームバー

レバーを下げて、自分でソフトクリームを作る。

サラダバー、カレー、ドリンクバー、スープバーの全てから盛り付けてみた。

ジャック君の大好きなカレーは確かに甘口で食べやすいが、野菜の旨味が良い感じに出ており、決して単純な味ではない。
そしてハリス家伝統というコーンスープは濃厚で、コーンをすり潰したザラザラ感がコッテリとした旨味を出しており、ついついお替わりしてしまった。
ドリンクはなぜか抹茶ラテをチョイス。シロップを入れることが前提といった感じで、ノーマルでは甘みのない大人仕様だ。

さすがCABのアンガス牛!と唸った肉質

しばらくして運ばれてきた「カウボーイステーキ」220グラム

厚みのある肉が、たっぷりの脂身をまとって、黒いプレートの上で湯気を立てている。
この状態のステーキを前にして歓喜しない人間はいない。

ソースは「デミバターソース」

デミグラスソースにバターをブレンドしたもので、カウボーイ家族のオリジナルだ。

CABアンガス牛がとにかく素晴らしい旨味を出してくれる。
特に脂身の旨さは絶品もの。

最初は塩と胡椒だけで食べ、デミバターソースを味変として使うのが良いかも知れない。その方が肉の旨味がよく分かる。

ガルニはシンプルにコーンだけ。
とにかく肉に集中して食べることができる。

カウボーイ家族 1号店 石神井店
2010年にオープンして予想を上回る売上げを記録、全国展開を行ったものの、その後の環境変化によって大幅縮小せざるを得なくなるという寂しい結果となってしまった。

しかし、肉はもちろんサラダバー、スープやカレーまで、さすがロイヤルホストと思わせるような、外食でしか味わえないようなクオリティがあった。

2010年に始まって全国展開を行うが、2022年には1店舗だけという状態になるカウボーイ家族。
まさに2010年代をカウボーイのように駆け抜けたチェーン店だ。

カウボーイ家族 1号店 石神井店の地図

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